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方向付けが必要だ

6月に、ガソリン価格が170円の値を付けそうです。しかしながら、原油高騰の主因は投機資金によるものなので、この辺をピークに今後は下落してくると思われます。もしその通りになれば、それはそれで一安心ですが、今後も今のままエネルギーを原油だけに頼っていると、相手は相場ですから、そのたびに今回のような不安や混乱が起きてしまいます。一体どうしたものでしょうか。
かと言って、原発に向かうのは世界の流れと逆行ですし(原発積極派は、世界で米国と日本だけ!)、今度は環境問題や地域住民の生死に関わる不安と混乱が生じてしまいます。では、水力か、火力か、風力か・・・。結局堂々巡りになってしまい、とりあえず現状の原油で様子を見ていこう・・・に戻ってしまう。非常に悩ましい状況であることには変わりありません。
太陽光エネルギー、水素エネルギー、磁場エネルギー、超微粒子エネルギー等の新しい代替エネルギー開発も、随分前から企業や個人や研究者が積極的に行ってきていますが、すべてが投資になってしまうので、なかなか大きな影響力を与えるまでには至っていませんし、むしろ大変な苦労を背負ってしまっているケースの方が多いと思います。使命感を持って、社会のために取り組む人々を支えていくようなシステムがないと、国も地球も立ち行かなくなってしまうでしょう。素晴らしい技術を持っている優秀な研究者や民間企業は、たくさんあると思います。現在の「資本があるものだけが勝つ」という社会の仕組みに加えて、もうひとつ別の流れを付けて欲しい。やはり、そのための国家ビジョン(方向付け)が必要です。
建築の分野でも、ほとんどの業者が平気で建てている「寿命が短い建物」や、「エネルギーを大量に消費する住宅」や、「病気になりやすい室内環境」や、「街並みを乱すデザイン」などへの規制を強化せず、99.9%の業者が真面目に取り組んでいる「構造設計」に異常なまでの規制を掛けて、結果的に官製不況を招いてしまった。ああ・・・敵に向けて撃ったつもりの大砲が、味方を直撃してしまった・・・ぐらいのミスだと思います。まさに、行き当たりばったりで、ビジョンが無い。「寿命が短い建物」や、「エネルギーを大量に消費する住宅」や、「病気になりやすい室内環境」や、「街並みを乱すデザイン」などに対する規制を掛けたら、本当に良心的な建設業者と設計事務所だけが増えていくでしょう。そういう道筋をつくって欲しいものです。
ところで、姉歯事件では設計者も施工者も販売者も、みんな罰を受けました。購入者も大変な被害を受けました。当然、民間の建築確認検査会社も罰を受けました。しかしながら、その民間の建築確認検査会社以外にも、多くの特定行政庁(役所)が構造計算の偽装を見逃していました。それなのに、役所の方には何ひとつ罰は下らなかった・・・。これは一体、どうしてだろう。こんなに大事な確認検査業務を、なぜ(営利目的の)民間に投げてしまったのだろう。普通に出てくる疑問です。時が経って、冷静に物事を見つめ直すと、滑稽にまで見えてしまうほどの「珍解決」というものがあるものです。でもいずれ、正しい解決が行われると思います。