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これからの大変化と丸二の考え

世界的な経済環境の激変により、国内の各産業も、大きな変革が必要になってきました。とりわけ建設業界においては、「コンクリートから人へ」という国の大方針により、公共事業・ハコモノ行政からの決別が進むでしょう。丸二は無事に、公共事業からの脱却を、10余年をかけて達成をいたしましたが、本当に大変な道のりでした。そう考えると、今からそれを始めるということは、事実上不可能であり、もう間に合わないのではと思います。地方においては、農業等の異業種への事業転換も進むと思います。
また、今までのような新築工事一本やりのようなことも無くなるでしょう。建てては壊し、スクラップ&ビルドを繰り返すことで、長期的な売上を立てていたゼネコンや住宅メーカーも、大きな岐路に立っています。これからは、モノを大事にする時代。修理・営繕・耐震・リフォームをしながら、長く使っていくという方向への大転換です。丸二もすでに、数年前から「リフォーム部門」を立ち上げて、現在では毎月100件以上のお客様からのご依頼をいただけるようになりました。このように、小さなこと、誠実なメンテナンスに本気で対応していくことが、新しい時代の要請だと思います。
新築工事についても、住宅着工件数が減っていく中で、「百年建築(ルネス工法+外断熱工法+パワー・コンクリート工法)」や「農商工連携認定事業:加子母ひのきの家」等をご提案し、健康で安全で幸福な環境共生長寿住宅を普及させていきます。賃貸併用住宅あるいは戸建住宅も、よりよい建築であれば、これから多くの建て替え需要が出てきます。環境、エコの時代と言われていますが、その中での本丸が、実は、「建築」「住環境」ではないかと考えます。
例えば、断熱方法についても、これからは「外断熱」へ移行していくと思います。日本の鉄筋コンクリート造のマンション、ビル、住宅のほとんどが、現在は「内断熱」であり、いつも結露、ダニ、カビに悩まされ、夏も冬もエアコン無しでは暮らせない状態になっています。ところが、広く欧米で標準となっている「外断熱」では、建物自体が外から守られ、建物寿命が長く、室内空気環境も改善され、結露、ダニ、カビが減少し、エアコンに頼らない省エネ環境をつくることができます。「温室効果ガス排出量25%削減」という日本の大目標を達成するためにも、国土交通省が「外断熱の推進」を行う必要が出てくるでしょう。丸二も、「外断熱」には、10年前から積極的に取り組み、すでに多くの施工実績があります。このように、住む人にも、建物にも、地球環境にもプラスになる工法を、私たちは無視する訳にはいかないのです。
「コンクリートから人へ」と書きましたが、もうひとつ、「コンクリートから木へ」という方向性もこれから出てくるはずです。日本の山は今、荒れ始めています。森の木を間伐しないと、日の光が入らず、森が死んでいくからです。日本の美しい森を守り、林業を復活させるには、森の木を間伐することが大切です。外材ばかりに頼らないで、国産の素晴らしい木を使って、家を建てることは、地球環境への貢献にもなります。コンクリートから木へ・・・。丸二は、農商工連携事業の認定を受けて、岐阜県・加子母森林組合様と共に、伊勢神宮の御用材として有名な「加子母ひのき」を産地直送でお客様にご提供し、都会に癒しの住環境を造ることと、森を守ることに貢献しています。
そして・・・、建築デザインも大きく変わっていくと思います。これからは、自然と調和する「自然風水デザイン」が始まります。つまり、人間が頭で考えるデザインではなく、そもそも自然の中に無尽蔵に宿っている力を利用したデザインです。風水というと、方位とか、占いのイメージがありますが、ここで言う自然風水とは、「あるがままの自然(風、水、木、火、草、土、石、光・・・)と調和する」と言う意味で、つまり、古来から先人たちが、建築や都市計画に利用していた自然科学の智慧のことです。丸二も、時間を掛けて研究を進めていますが、徐々に現代科学でも立証され始めていて(建築医学として確立)、とても興味深いテーマになってくると思います。これらのノウハウを、今後は基本設計に取り入れていきたいと考えています。そのコンセプトは、「シンプル」「美しい」「安価」です。
さて、今まで、家やマンションは「買うもの」「選ぶもの」でしたが、これからは「建てるもの」「造るもの」へと移行していくでしょう。住環境を得るということは、人任せに出来るほど、簡単なものではないということです。丸二が10年間かけて実績をつくって来ている「コーポラティブハウス」は、まさにその代表選手です。お客様一人ひとりのビジョンやイメージを叶えるために、私たちはさらに磨きをかけていきたいと思います。
最後にもうひとつ。あまり言われていないことですが、これからは建設会社と言えども、男性中心から男女協働へと移り変わっていくでしょう。建築、住宅、リフォーム、デザイン、住まい方・・・このようなご提案の中に、女性の視点、優しさ、繊細さを含めていかないと、造った側だけの自己満足で終わることになります。「建築は男の世界」というイメージから、いかに脱却し、男性・女性がお互いの役割の中で、総合的な住環境を造っていくことが、お客様のニーズにさらに一歩近づいていくことになると思います。丸二は、少しずつですが、新卒女子社員の採用を続けながら、じっくりとお客様志向の社風づくりに取り組んでいます。
さて、こうして考えてみると、21世紀の建築は、百年レベルで持続していく「百年建築」と、人や自然の生命を育む「生命建築」となるでしょう。丸二は、その二つを実現する技術と人を育てている会社です。