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新しい基礎を造る

今年の日本シリーズは、ソフトバンクの優勝で終わりました。やはり王さんが長年を掛けて築き上げて来た野球に対する真摯な姿勢、真面目さ、あるいは文化というものが、しっかりとしたチームの基礎となって、秋山監督にも引き継がれていたのでしょう。そういう意味で、落合さんは王さんに負けたのだと思います。でも、落合さんは王さんを尊敬しているとのことで、納得の負けではないでしょうか。個人的には、今年でユニフォームを脱ぐ落合さんに勝たせたかったのですが、また次のチャンスに期待ですね。
それにしても、落合さんのような天才的な三冠王バッターが、全く打てないチームの監督として、常に優勝あるいは上位に居続けたというのは、とても面白いことだと思います。しかも現役時代は「オレ流」で、「チームワーク」の外側にいたような人が・・・・。そこにはきっと何か野球に対する独特の「哲学」のようなものがあったに違いありません。落合さんような強打者の選手がいなくても勝ったのですから、何か訳があるのでしょう。
今、巨人ではいろいろ内紛が起きているようですが、打てない中日打線に比べると、巨人打線は圧倒的に強いと思います。それでも勝てなかった。野球に対する考え方のベース(基礎)が弱いからなのでしょうか。ひとつのチーム、組織を仕上げて行くのには、本当に多くの時間が必要です。そして高い志とビジョンと計画。そのようなチーム作りの原点をしっかりと持続しているチームが、結局、両リーグ共に強くなっているような気がします。サッカーも同じかもしれません。
国の経営も同様で、現在の問題に対する対応だけでは、いくら国民が一生懸命努力しても、なかなか良い方向へ行きません。そこには志、ビジョン、計画が必要です。今の日本は、まさにビジョンを欠いた迷走状態にあると言えます。しかしながら逆に考えると、米国等からの無理難題を、日替わり首相たちが、ノラリクラリとかわすには最適な状態かもしれません。そのように前向きに理解をして、その間に(全国民で)新しい日本の行くべき道を見つけて行くことだと思います。日本は負けながら勝って行くという不思議な国ですので、今の状況を大いに利用して、良い方向へ向かって行きたいものです。
同じく、会社の経営も安定した基礎を造ることが一番大事だと思います。これからの時代は、あらゆる業界や企業において、今までの基礎(原則)が揺らいで来るはずです。だから、「3.11」の大地震の時のように、基礎が大きく揺らいだ時は、これを機に、新たな基礎造りへと大舵を切らなくてはなりません。だから、むしろ大きく揺らいだ会社の方が(すぐに動くので)良いのです。少しでも早く、21世紀型の基礎に入れ替えなければなりません。そのような大きな気づきのチャンスをいただいているのが、今の「本質」だと思います。
もちろん舵を切るのは大変です。勇気がいります。新しい流れに入るまで、一時的に大きな困難とぶつかるからです。でも、そのことを恐れて、いつまでも変化を先延ばしにしていると、今はまだ大丈夫ですが、一年後、二年後はダメになるかもしれません。今、人類が間違った方向へ向かっていることを、私たちは「3.11」によって知りました。だから、早く舵を切ることです。そして新しい日本の基礎、雛型を作ることです。会社も同様に、新しい時代のための新しい基礎を造ることです。丸二もやっと(随分時間を掛けましたが)新しい基礎が完成に近づいています。後は伊勢神宮の御遷宮のように、新しい基礎の上に移るだけです。
新しい時代とは、資本主義の崩壊、マネーゲームの終焉、自然災害の多発、自然エネルギーの普及、本当の(心の)豊かさの追求、助け合い(チームワーク)、食糧自給率の向上、森の再生、観光立国、第1次産業の復興。建設業としては、リフォームの時代、健康・エコロジーの建築、災害列島に対応できる生命を守る住宅、国内林業の活性化、建物の財産価値を上げること。これらのキーワードと調和した、素晴らしい未来を築いて行こうと思います。とても面白い時代に成りそうです。