2011.11.30
KASIMOスタイル
先週の土曜日、吉祥寺にて「KASIMOスタイル」のワークショップを開催し、多くの方々にお集まりいただきました。本当にありがとうございます。伊勢神宮の御用材である岐阜県加子母(カシモ)の国産天然ひのきを使って、日本の森を守ると同時に、適正価格でひのき住宅を普及しようと、数年間の取り組みを続けてきましたが、やっと具体的な住宅の提案の段階までやって来ました。とにかく、新しい物事を始めるのには、時間と根気が必要です。すぐに結果が出る訳ではありませんから・・・。
それでも、森を守り、木を育てる現場の途方もない時間軸の長さに比べれば、私たちのような一般の事業はまだまだ楽なものです。一本のひのきが柱材になるのに最低でも40年以上掛かるのですから、まさに森造りは国造り、100年(一世紀)事業と言えます。これでは、今の資本主義経済の中では、成り立たない訳です。だから、今の日本の森も、世界の森も、荒廃へと向かっています。
今回の東日本大震災と福島原発の事故によって、私たちは目覚め、本当に自然界を大切にしていかないと、人類に未来が無いことに気づきましたが、具体的には、農業や林業へ人が向かうような時代にならないと、それは単なる念仏で終わってしまいます。私たちは、確かに非力ではありますが、ほんの少しでも、そのような時代の流れを造ろうと、このような取り組みをコツコツ続けています。
また、2年後の平成25年(2013年)には、伊勢神宮の(20年ごとの)遷宮が行われますので、その際に加子母の神宮ひのきのお話も、世の中に出て来ると思います。日本の森と住む人を守る加子母ひのきで造られた家を、都会にどんどん増やすことで、私たちは社会に貢献して行きたいと思います。来年も加子母森林ツアーを行いますので、ぜひご参加ください。「KASIMOスタイル」の資料も、ご希望があればお送りいたします。
また、加子母ひのきを使った家と言っても、決して和風の純木造住宅ばかりでなく、とても格好の良いシンプルモダンのデザインや、1階部分のみをコンクリート構造にして、地震、水害、放射線等に強い混構造(ハイブリッド)タイプ「ANCIENT22」もあります。いずれにしても、加子母ひのきをたくさん使用して、森の再生と住む人の健康に、寄与して行きたいと思います。