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静かに根を張る

先日、知人から面白いお話をお聞きしました。それは、「信長や秀吉は天下を取ったが、家康は天下を治めた」と。信長や秀吉は確かに鮮やかに天下を取ってトップに立ちましたが、それは長くは続きませんでした。逆に家康は、大量の時間と苦労を掛けて(やっとの思いで)天下を取り、その後も260年に及ぶ江戸時代を築き上げました。
その勝因のポイントは2つだったと言います。
①家康は、(参勤交代等の)仕組みを造った。
②家康は、(時間を掛けて)根を張った。
人間も会社も、先ずは(時間を掛けて)根を張ることが大事だと思います。でもここは、目に見えない土の中なので、多くの人が軽視する部分でもあります。人間は、すぐに実に成ることばかりを追いかけて、土の中で根を張る作業を疎かにします。仮にたくさんの実が獲れても、すぐに枯れてしまうのに・・・。その繰り返しです。真実は、基礎造りに在ります。
丸二の経営理念も同様です。私たちはお客様との「ご縁」を大切にしています。時間を掛けて育てています。小さな芽がいつかは大きな木に成るように、その信用をじっくり育てています。まさに年輪のように1mmずつです。大きな木が倒れないのは、土の中に立派な根が張っているから。様々なサービスや対応の仕組みと共に、私たちはあえて時間を掛ける道を歩んでいるところです。
実は私は、信長より家康の方が好きです。ナントナクそういう面に共感していたのかもしれません。丸二は家康型だと思います。天下を「取る」ことが目的ではなく、「治める」こと・・・つまり「持続して成長する」ことが目的だからです。だからいろいろな仕組みもあります。社員のための勉強会もあります。すべてが有機的に結びついていると感じます。
この①と②を実現するために一番大切なものは、実は社員の人間性ではないでしょうか。社員一人ひとりが人間としての基礎を持って、成長していく方向性があって初めて、仕組みや根造りは良き方向へ伸びて行くと思います。私たちの最大の強みはここにあると感じています。丸二は今年で創立60年。江戸時代の260年には遠く及びませんが、これからも静かに(地中に)根を張って行きたいと思います。
※最近のCD
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ハイドン/交響曲第93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104番 
ミンコフスキ&ルーヴル宮音楽隊
「静かに根を張る」とは、とても地味なイメージですね。でも私自身も、丸二も、そのイメージにかなり近いと思います。私がひそかに愛好しているハイドンの音楽も、まさにそうです。ハイドンと言う名前自体はとても多くの人に知られていますが、実際の音楽を知っている人は先ずほとんどいません。クラシック音楽のファンの中でも、少数派ではないでしょうか。それくらい地味です。でも・・・聴き始めると本当に素晴らしいのです。モーツァルトやベートーヴェンのような有名曲はまったく無く、どれを聴いても同じように聴こえるのに・・・深いのです。そして楽しいのです。気分が爽快になります。つい微笑んでしまいます。交響曲の父と言われてますので、交響曲の数がとても多い。全部で104曲。どれが何番だか、未だによく判りません。それでも、どれを聴いてもワクワクします。深いけど、深刻さは皆無。不思議な感覚です。ハイドンのCDは、ヨッフム、ベーム、セル、ザンデルリンク、ワルター、フルトヴェングラー、クナッパーツブッシュ等の往年の大指揮者のものを持っていますが、最近は、古楽器系の指揮者、ミンコフスキのを買って聴いています。今まさに、この音楽が誕生したかのような新鮮さで、ハイドンの面白さが伝わります。本当におおらかで、やさしくて、元気な音楽です。静かに心に入って来ます。